船中八策

船中八策とは

大政奉還とその後の新政体を示すものである。

 名称について

船中八策とは後世につけられたもので、特に決まった名称はなかった。

 『船中八策』と『新政府綱領八策』

龍馬が夕顔丸内で後藤象二郎に提示したとされる『船中八策』は『新政府綱領八策』を元に作られたと考えられる。
『新政府綱領八策』はほぼメモのような状態で『船中八策』は完成度が高いことから『新政府綱領八策』が推敲されたと考えられる為、『新政府綱領八策』こそが龍馬が提示した『船中八策』であると考えられている。

比較の為に『船中八策』と同じ項目と思われる『新政府綱領八策』の項目を各項目の下に
青字で記載。


 船中八策

一、天下の政権を朝廷に奉還せしめ、政令よろしく朝廷より出ずべき事。

   ⇒大政奉還(1867年)

一、上下議政局を設け、議員を置きて万機を参賛せしめ、万機よろしく公議に決すべき事。
第五義 上下議政所。
   ⇒第一回帝国議会開催(1890年)

一、有材の公卿、諸侯および天下の人材を顧問に備え、官爵を賜い、よろしく従来有名無実の官を除くべき事。
第一義 天下有名の人材を招致し、顧問に供う。
第二義 有材の諸侯を撰用し、朝廷の官爵を賜い、現今有名無実の官を除く。

   ⇒内閣制度制定(1885年)

一、外国の交際広く公議を採り、新たに至当の規約を立つべき事。
第三義 外国の交際を議定す。
   ⇒治外法権撤廃(1899年)

一、古来の律令を折衷し、新たに無窮の大典を撰定すべき事。
第四義 律令を撰し、新たに無窮の大典を定む。律令既に定まれば、諸侯伯皆これを奉じて部下を率ゆ。
   ⇒大日本帝国憲法発布(1889年)

一、海軍よろしく拡張すべき事。
第六義 海陸軍局。
   ⇒陸海軍省設置(1872年)

一、御親兵を置き、帝都を守衛せしむべき事。
第七義 親兵。
   ⇒近衛師団設立(1888年)

一、金銀、物貨、よろしく外国と平均の法を設くべき事。
第八義 皇国今日の金銀物価を外国と平均す。
   ⇒関税自主権回復(1911年)

 話の種に戻る