ファインワイン【宮武酒店ネットウェーブ】
 シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ (メドック地区サンジュリアン村・第ニ級)
Chateau Leoville-Las Cases http://www.leoville-las-cases.com/
サンジュリアンの極上シャトー
 現在、格付けこそ第ニ級ながら、その実力は第一級は間違いのないシャトーです。世界のワイン通が憧れるボルドーの5大シャトーにも同等の評価を受けています。オーナーのジャン・ユベール・ドロン氏は、ボルドーで最も完璧主義と呼ばれるほどのこだわりの持ち主で、彼のもとで造られるワインは、畑の持つポテンシャルを見事なまでに引き出し、魅力的な果実味と自然体の力強さ、なめらかで甘味さえ感じさせる良質なタンニンに支えられた、見事な名酒を醸し出しています。
 また、セカンド・ワインのクロ・デュ・マルキは、格付けシャトーにも匹敵するほどの高品質なワインも造り出しています。

ヴィンテージ
GRAND VIN
2008
2005
2003

1999
1998
1997
1988
1975

Second Vin
Clos du Marquis
2007
2005
2003
2001
1998

Second Vin
Le Petit Lion
2009
2007

ロバート・パーカーJr.「ボルドー第4版」より
 レオヴィル・ラス・カーズは疑いもなく偉大な名前であり、偉大なボルドー・ワインの1つである。40haを超える主要な畑はラトゥールに隣接しており、絵のように美しい。石垣に囲まれており、ワインのラベルにも描かれている。ボルドーでも最大級のシャトーで、ワインの品質にかける入念さや熱心さの点では、並ぶものこそいくつかあるにせよ、どこにも負けていない。責任者は故ミシェル・ドゥロンだったが、近年は、彼の息子であるジャン=ユベールが務めている。ミシェル・ドゥロンは気位の高い男で、尊敬を集めていたが、同じくらい軽蔑もされていた。完璧主義者であったが、彼を批判する人々は、そしてその数は多いのだが、彼が策略をもってワインを売ると主張する。その主張によれば、偉大なヴィンテージには出し惜しみをしてささやかな量しかつくらず、人為的に価格をつり上げていたと言うのである。もっとも、その華麗な品質にけちをつけることは誰にもできまい。彼のワインは、サン=ジュリアンのみならず、メドック全体で最上のワインをつくろうというマニアックな執念の産物ばのである! 1986年のような豊作のヴィンテージに収穫高の50%以上を、あるいは1990年のように67%という驚愕すべき量を格下げしてしまう人物がほかにいるだろうか? セカンド・ワインだけでなくサード・ワイン(ビニャルノン)をも導入する人物は? 空調のきいたシェ(ワイン蔵)に気前よく大理石の床を敷く人物は? 彼が好きか嫌いかはともかく、ミシェル・ドゥロンは補佐役に有能なミシェル・ロラン(リブヌルのエノロジストではない)やジャック・ドポワジエを従えて、1980年代、1990年代のメドックで最も偉大なワインの1つをつくり続けた。その息子も父親の方針を踏襲するにとどまらない能力を持っているようだ。
 第二次世界大戦後のワインにはムラがあったが、1975年以後は連続して成功を収め、2000年、1996年、1995年、1994年、1990年、1986年、1985年、1982年、1978年、1975年のようなヴィンテージには完璧に近いワインが生まれている。事実、これらのヴィンテージでは、メドックの第一級シャトーのほとんどと同じくらい深遠なワインとなっているのだ。
 サン=ジュリアンにおける主要なライバルであるデュクリュ=ボーカイユーと比較すると、レオヴィル=ラス・カーズのワインは、色合いがわずかに暗く、よりタニックで、よりスケールが大きく、より凝縮味がより強く、言うまでもなく長期の貯蔵を念頭に置いてつくられている。伝統的なワインであり、適度な飲み頃になるまで10〜15年待てるだけの忍耐力を持ち合わせた事情通向けのワインである。ボルドーの1855年の格付けが見直されるようなことがあったら、レオヴィル・ラス・カーズは、デュクリュ=ボーカイユーのように、今ひょっとするとレオヴィル・バルトンやグリュオー・ラローズも一級への昇格が熱心に支持されることだろう。

〜一般的な評価〜
 レオヴィル・ラス・カーズは文句なしにサン=ジュリアンの王であり、ボルドーでも数少ない、毎年無条件で買うことのできる格付けシャトーの1つだ。一貫して一級並みの品質となっており、1980年代、1990年代の成績は注目すべきものだった。最近ではよりエレガントなスタイルに向かうようになっているが、特徴的な豊かさ、深み、構造、完璧に近いつりあいを保っている。サン=ジュリアンでは最も高価なワインだが、それでも価格は許容範囲内にとどまっている。投機家好みのワインではないのでオークションで見かけることはめったにないが、消費者のレベルでみれば、一級ワインほど高価ではないのに品質はしばしば一級相当である。セカンド・ワインのクロ・デュ・マルキも優良であり、最良のヴィンテージには三級や四級のワインに引けをとらない。

平均年間生産量:21万6000本
畑 面積:97.2ha、平均樹齢:30年、植樹密度:8000本/ha、平均収量:42〜50hl/ha
育成:発酵とマセレーションは温度管理された木製、コンクリート、ステンレスの槽で12〜20日間。熟成はヴィンテージによって新樽50〜100%で12〜24ヶ月。清澄はするが、濾過はしない。
ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニョン65%、メルロ19%、カベルネ・フラン13%、プティ・ヴェルド3%
所有者:SCデュ・シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ(ドゥロン家)


◆◇◆GRAND VIN◆◇◆
グラン・ヴァン

Chateau Leoville-Las Cases (税込み価格)
2008 シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ 18.900円
1988Chateau Leoville-Las Cases [PP95〜97+ WS91〜94]


Chateau Leoville-Las Cases (税込み価格)
2005 シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ 42.000円
1988Chateau Leoville-Las Cases [PP94〜96 WS95〜100]


Chateau Leoville-Las Cases (税込み価格)
2003 シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ 30.000円
1988Chateau Leoville-Las Cases [赤・フルボディ]
ロバート・パーカーJr.「ボルドー第4版」より
 収量は極めて少なく、ほんの21.2hl/ha。収穫が始まったのは9月11日で、終わったのは9月26日だった。2003年のレオヴィル・ラス・カーズのブレンド比率はカベルネ・ソーヴィニョン70.2%、メルロ17.2%、カベルネ・フラン12.6%。アルコール度数は13.27%で、2002年にこのシャトーが達成した記録よりは心持ち低く、pH値は3.82だった。グランヴァンになったのは収穫の54%のみである。いまだにスケールの大きい、画一的なワインだが、整理がついて、より輪郭のはっきりしたものとなったら間違いなく出世街道を上っていくはずである。インクのような/ルビー/紫色をしており、古典的なラス・カーズらしい純粋さやバランスを持っているほか、何層にも及ぶブドウの完熟感のある、純粋な、ブラックチェリーやブラックカラントの果実がくるむ、がっしりとしたミネラルの芯や微妙なオークが感じられる。ミディアムからフルボディで、タンニンは甘いが、この年の多くの仲間ほど豪勢ではない。古典的なプロポーションで、輪郭も十分にはっきりしている。これまたジャン=ユベール・ドゥロンとそのスタッフの手になる輝かしい業績だ。
ポイント94〜96+

カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、カベルネ・フラン、プチィ・ヴェルド


Chateau Leoville-Las Cases (税込み価格)
1999 シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ 11.000円
1988Chateau Leoville-Las Cases [赤・フルボディ]
ロバート・パーカーJr.「ボルドー第4版」より
 1999年のレオヴィル・ラス・カーズは濃厚な紫色をしており、古典的なアロマはヴァニラ、ブラックチェリー、カラントと混じった微妙な香ばしいオークを思わせる。ミディアムボディで、タンニンは甘く、いまだに若い、内向的な、成長していない(この年のワインとしては異例のことである)。並はずれた純粋さや全体の調和のおかげで完全に独自の個性が生まれている。この秀逸なラス・カーズは2006〜2022年が最盛期となるはずである。ワイン・オブ・ザ・ヴィンテージの1つだ!
最終試飲月:2003年1月 ポイント93

カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、カベルネ・フラン、プチィ・ヴェルド


Chateau Leoville-Las Cases (税込み価格)
1998 シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ 19.800円
1988Chateau Leoville-Las Cases [赤・フルボディ]
ロバート・パーカーJr.「ボルドー第4版」より
 1998年はこのヴィンテージの卓越したメドックの1つと判明している。光を通さないほど濃い黒/紫色を誇っており、古典的なレオヴィル・ラス・カーズらしい鉛筆や、ゴージャスなまでに純粋なブラックラズベリーやチェリー、燻煙、黒鉛を思わせる。古典的な導入部には硬いタンニン、ミディアムボディからフルボディ、卓越した凝縮感や純粋さ、完全に均整のとれた口あたりも見られる。1996年、1995年、1988年といった古典的なラス・カーズの価値ある後継者だ。予想される飲み頃:2006〜2025年
ポイント93

カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、カベルネ・フラン、プチィ・ヴェルド


Chateau Leoville-Las Cases (税込み価格)
1997 シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ 13.000円
1988Chateau Leoville-Las Cases [赤・フルボディ]
ロバート・パーカーJr.「ボルドー第4版」より
 このヴィンテージのスターである。高級感のある、西洋杉のような、ブラックカラントや、スイートチェリーの香りのする、濃いルビー色をしたラス・カーズは、新樽の加え方が見事で、ミディアムボディ。広がりのある、甘い、凝縮感のある風味、たっぷりのグリセリン、格別な純粋さを見せている。レイヴィル・ラス・カーズとしては酸が弱く、すでにおいしくなっている。予想される飲み頃:現在〜2016年
最終試飲月:2002年3月 ポイント89

カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、カベルネ・フラン、プチィ・ヴェルド


Chateau Leoville-Las Cases (税込み価格)
1988 シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ 21.000円
1988Chateau Leoville-Las Cases [赤・フルボディ]
ロバート・パーカーJr.「ボルドー第3版」より
 
驚くべきことに、1988年のレオヴィル=ラス・カーズは常に、このヴィンテージで最も成功したワインのひとつであった。豊かで、スパイシーで、フルーツケーキ、西洋杉、カシスのノーズがあり、ミディアムボディ。口に含むと、魅力的な甘さとしなやかさが現れる。良好な輪郭と焦点のはっきりした個性があり、フィニッシュには控えめなタンニンがある。このワインのアロマの変化が明らかになり始めたところだ。あと2年から5年寝かせるとよく、20年以上はおいしく飲めるだろう。最終試飲月:95年3月 ポイント92

カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、カベルネ・フラン、プチィ・ヴェルド


Chateau Leoville-Las Cases (税込み価格)
1975 シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ 24.000円
1988Chateau Leoville-Las Cases [赤・フルボディ]
ロバート・パーカーJr.「ボルドー第3版」より
 
このヴィンテージの大成功を示す例である。ただし、柔らかくて、気軽な、しなやかな現代風の味わいのワインを好む人々は、好ましいとは思わないかもしれない。それはなぜか? タンインが強く、内向的で、1948年や1928年といったヴィンテージの特徴からは除外された、スタイルの古いワインであるためだ。色は暗いルビーからガーネット色で、エッジにわずかに琥珀色が見え、はっきりとしたミネラル、鉛筆、甘いがあっさりした印象のブラックカラントの香りのするノーズがある。フルボディで、厚みと凝縮感があり、例外的にがっしりとして力強い。センセーショナルと言えるほどに豊かで強烈なこのワインは、ヴィンテージのなかでも最も長命なもののひとつとなるであろう。この強いタンニンのレベルを考えれば、あと20年から30年持ちこたえるのは確実だが、その頃までには衰えてしまっているかもしれない。私は1990年代半ばに全盛期に達すると考えたのだが、あと5年から8年は寝かせる必要がある。非常に印象的だが、内向的で硬質なワインだ。最終試飲月:95年12月 ポイント92+

カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、カベルネ・フラン、プチィ・ヴェルド

クロ・デュ・マルキ

          

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