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ロバート・パーカーJr.「ボルドー第3版」より
モーカイユは一貫して、メドックにおける最高のワインの象徴とされてきた。ここのワインは逞しくて生気溢れるフィリップ・ドゥルトの手で完璧につくられ、その手法に批判するようなところはほとんどない。モーカイユーは深みのある色、果実がすばらしく熟した凝縮味、よいボディ、柔らかなタンニンがあり、10年から12年以上の時間で優美な熟成を見せるに十分な構成とエキス分を持っている。1980年代始めから、60%が新樽で、残りは著名な格付けシャトーから購入した2年樽で熟成されている。
熟成する力を10年まで維持しながら、豊かで肥えた、若いうちでも飲めるようなワインをつくるのは簡単ではない。モーカイユーは、硬くてタンニンの強いワインをもたらしそうなムーリの土壌の改良に、明らかに成功したのである。並外れてエレガントな、非常に満足のいくワインを生産し、過小に低い値段のついたごく少数のボルドーに数えられている。メドックの田舎道を楽しむ冒険好きな旅行者には、シャトー・モーカイユーを訪れることをぜひおすすめしたい。ここには魅力的なワイン製造博物館があり、さらに、見学者には新酒をテイスティングする機会が設けられているからだ。 |