ファインワイン【宮武酒店ネットウェーブ】

フランスワインの法律

 フランスで造られるワインはすべて、ECの規定に従ったフランス独自のワイン法のもとに4つのカテゴリーに等級分類されています。ワイン法は、葡萄の原産地を基準に制定されており、原料となる葡萄品種もほとんどは産地によって土地柄に適したものが栽培されている。つまり、ラベル上の生産地を見れば、ワインの品質がある程度わかるということです。

■Vins de Table
ヴァン・ドゥ・ターブル(テーブルワイン)
 原産名が記されていない、ヨーロッパのワインをブレンドしたポピュラーなワイン。フランス国内だけで生産し醸造したものは、“Vin de Table France”“Botted in france”“Produce of France”などの表示をする。

■Vins de Pays
ヴァン・ドゥ・ペイ(地酒)
 テーブルワインの中でも生産地が限定されていて、法に定められた葡萄のみから造られ、その地域名をワインの名称とすることができるワイン。ヴァン・ドゥ・ペイのペイとは国、地方という意味になる。
 INAO(全国原産地名称協会)の規制外の、ブドウ品種、栽培法、醸造法を使用したり、生産者が自ずらの基準でこのクラスに格下げされたものなどもあり品質の幅が広い。また、近年の生産量も伸びてきている。

■VDQS=Vins Delimites de Qualite Superieure
ヴァン・デリミテ・ドゥ・カリテ・シュペリュール(上質指定ワイン)
 INAO(全国原産地名称協会)の検査にパスしたワインにかぎられる。VDQS保証マークをラベルの上に付けることが義務つけされている。ロワール河流域やプロヴァンス、ラングドック・ルーションなどのいわゆる銘醸地でない地方で多く造られいる。

■AOC=Appellation d'Origine Controlee
アペラシヨン・ドリジーヌ・コントローレ(原産地呼称統制ワイン)
 1935年に制定された原産地呼称統制法(AOC)に基ずくワインで、最高の格付けの高級ワインである。ラベルにはAppellation Controlee または Appellation d'Origine生産地Controleeの表示が必ずある。
 d'Origine生産地には、ボルドー、ブルゴーニュなどの地方名、メドック、コート・ドゥ・ニュイなどの地区名、マルゴー、ボーヌ・ロマネなどの村名が入る。ボルドー地方は村名が最高格付けとなる。ブルゴーニュには畑名まで細分化した格つけがある。ロマネ・コンティなどの畑名がそれにあたる。生産地区がだんだんと狭くなればなるほど、そのワインの特色が見えやすくなり、特徴がつかみやすく、高級といえる。
 AOC法ではワイン品質の保持、産地名称の保護のため、葡萄品種の規制最低アルコール度数、最大収穫量、栽培法、剪定法、および一部の地域では熟成方法も規制されている。生産区域が狭くなるほど規定も厳しくなり、品質も上がり、ワインの個性がある。
INAO国立原産地名称研究所Institut National des Appellations d'Origine
 1935年に原産地名称(AO)が規定され、それを管理するための国立委員会(Comite National)が設立されました。これにより、原産地名称は管理令による承認を受けることになり、原産地統制名称(AOC)と呼ばれるようになったのです。この委員会は1947年に上記名称に改称され、頭文字のINAOから「イナオ」と呼ばれています。主な仕事は、フランス国内外においてワインとブランデーの原産地名称の保護と防衛、原産地名称の新設と統廃合の承認です。また他の機関とともにワインの製造から流通、消費にいたる各段階を監視しています。

AOCの条件
生産地域:その産地の中のブドウ100%であること。
品種:使用可、使用不可、の品種の規制がある。
最低アルコ−ル度数:収穫時のブドウの糖度に規制がある。
最大収穫量:1haあたりの収穫量を規制して、品質の良いブドウだけで造るよう制限している。
栽培法:樹齢5年以上のものであることなど。
剪定法:そのブドウの樹を考慮し、グイヨーサンプル、グイヨードゥーブルといったものにしたり、ゴブレ、短枝、長枝など産地により異なる。
醸造法:ミュスカデ、ロゼワイン、発泡性ワインは特別の規格がある。産地によって異なる。
熟成条件:ボジョレー・ヌーヴォーの発売日や、発泡性ワインの熟成条件は厳しく定められる。
試飲検査:すでてのAOCワインは試飲検査される。

ボルドー地方 AOCワインの規制例
品質 高 ← 低







場所名
村名 AOCポイヤック
収穫量4.0kl/ha以下
アルコール度10.5%以上
AOCオー・メドック
収穫量4.3kl/ha以下
アルコール度10%以上
AOCメドック
収穫量4.5kl/ha以下
アルコール度10%以上
地区 AOCオー・メドック
収穫量4.3kl/ha以下
アルコール度10%以上
AOCメドック
収穫量4.5kl/ha以下
アルコール度10%以上
地方 AOCボルドー・シュペリュール
収穫量4.0kl/ha以下、アルコール度10.5%以上
AOCボルドー
収穫量5.0kl/ha以下、アルコール度10%以上


ボルドー格付け表
 ボルドーには、ブドウ園独自のラベルが貼られる特定ブドウ園(シャトー)のワインと、ワイン商(ネゴシアン)によって統一されたラベルの地方名ワインがあります。以下の表は、特定ブドウ園(シャトー)の格付け表です。

メドック地区 1855年、1973年格付け銘柄
銘柄名 村名



Ch.Lafite Rothschlid
Ch.Margaux
Ch.Latoul
Ch.Haut Brion★
Ch.Mouton Rothschilt
Pauillac
Margaux
Pauillac
Pessac
Pauillac


Ch.Rausan-Segla
Ch.Rausan-Gassies
Ch.leoville Las Cases
Ch.leoville Poyferre
Ch.leoville Barton
Ch.Durfort-Vivens
Ch.Gruaud Larose 
Ch.Lascombes
Ch.Brane-Cantenac
Ch.Pichon-Longueville Baron
Ch.Pichon-Longueville
   Comtesse de Lalande
Ch.Docru-Beaucaillou
Ch.Cos d'Estoumel
Ch.Montrose
Margaux
Margaux
St-Julien
St-Julien
St-Julien
Margaux
St-Julien
Margaux
Cantenac
Pauillac

Pauillac
St-Julien
St-Estephe
St-Estephe


Ch.Kirwan
Ch.d'lssan
Ch.Lagrange
Ch.Langoa Barton
Ch.Giscours
Ch.Marescot St-Exupery
Ch.Boyd-Cantenac
Ch.Cantenac Brown
Ch.Palmer
Ch.la Lagune
Ch.Desmirail
Ch.Calon-Segur
Ch.Ferrere
Ch.Marquis d'Aleseme Becker
Cantenac
Cantenac
St-Julien
St-Julien
Labarde
Margaux
Cantenac
Cantenac
Cantenac
Ludon
Margaux
St-Estephe
Margaux
Margaux


Ch.St-Pierre
Ch.Talbot
Ch.Branaire Ducru
Ch.Duhart-Milon-Rothschild
Ch.Pouget
Ch.la Tour Camet
Ch.Lafon-Rochet
Ch.Beychevelle
Ch.Prieure-Licnine
Ch.Marquis de Terme
St-Julien
St-Julien
St-Julien
Pauillac
Cantenac
St-Laurent
St-Estephe
St-Julien
Cantenac
Margaux


Ch.Pontet-Canet
Ch.Batailley
Ch.Hart-Batailley
Ch.Grand-Puy-Lacoste
Ch.Grand-Puy-Ducasse
Ch.Lynch-Bages
Ch.Lynch-Moussas
Ch.Dauzac
Ch.d'Armailnac
Ch.du Tertre
Ch.Haut-Bages Liberal
Ch.Pedesclaux
Ch.Belgrave
Ch.Camensac
Ch.Cos Labory
Ch.Clerc Milon
Ch.Croizet-Bages
Ch.Cantemerle
Pauillac
Pauillac
Pauillac
Pauillac
Pauillac
Pauillac
Pauillac
Labarde
Pauillac
Arsac
Pauillac
Pauillac
St-Laurent
St-Laurent
St-Estephe
Pauillac
Pauillac
Macau
★Ch.Haut Brionはグラ−ブ地区にあるが、例外的に赤ワインがメドック地区の第1級に格付けされています。


■メドック地区
 メドック地区の格付けは、Grands Cru Classes du Medocグラン・クリュ・クラッセ・デュ・メドック。
このグラン・クリュ・クラッセはまた5つの等級にわかれています。

第1級は、PremiersG.C.C.
第2級は、DeuxemesG.C.C.
第3級は、TroisiemesG.C.C.
第4級は、QuatriemesG.C.C.
第5級は、CinquiemesG.C.C.

 1855年のパリ万国博覧会開催にあたり、ナポレオン三世が、各ワイン生産地域にワインを出展するように要請したことが、格付けをつくるきっかけとなったのです。ジロンド地方ではボルドー市の商工会議所(1705年設立)が、ワインの選択にあたりました。
 ジロンド地方のワインをいきあたりばったりに、何の序列もつけずにパリへ送るのは危険だと気づいた商工会議所は、ボルドーのワイン仲買人組合に、ジロンド地方産の赤と白ワインについて格付けをつくるように依頼しました。当時のクリュの評判と取引価格をもとに、赤ワインはメドックから58、グラーヴから1つのクリュが選ばれ(分割したところがあり現在61)、白ワインはソーテルヌとバルサックから21のクリュ(現在26)が選ばれたのです。
 このような格付けになったのは、おそらくリブルヌ地方に商工会議所がなかったため(1910年になって設立)と、当時、ボルドーの商人によって販売されていたワインが、卓越していたためのようです。
 この格付けは今も生きています。現在までの大きな変化は、1973年にボルドー商工会議所主催のコンテストの結果、メドックのクリュについて見直しがあり、唯一、シャトー・ムートン・ロートシルトが第2級から「プルミエ・クリュ・クラッセ」、つまり第1級格付けに昇進した再格付けだけです。興味深いことに、それ以降この格付けの見直しは行われていません。

●ブルジョワについて
 メドック地区の、グラン・クリュ61シャトーに次ぐクラスとして、1988年にクリュ・ブルジョワという格付けが公式に認められ、現在160余のシャトーがこのクラスに属しています。
 もともとクリュ・ブルジョワは1932年に私的なシンジケートとしてスタートしたもので(その後度々再編成)、しかもグラン・ブルジョワ・エクセプショネールとか、グラン・ブルジョワといったさらに細かい分類も行っていましたが、’88年以降は一括してクリュ・ブルジョアと呼称されることになりました。

---ニュース---
247シャトーを「クリュ・ブルジョワ」に認定
(2003年6月22日、ボルドー商工会議所)
 1932年に初めてメドックのクリュ・ブルジョワが認定されてから71年。このほどクリュ・ブルジョワの見直しが行われ、490生産者が申請し、247のシャトーが認定された。このうち、9生産者がクリュ・ブルジョワ・エクセプショネル、87生産者がクリュ・ブルジョワ・シュペリュール、151生産者がクリュ・ブルジョワに格付けされた。2003年のヴィンテージより適用される。
 対象ワインはAOCメドック、オー・メドック、リストラック、マルゴー、ムーリス、ポイヤック、サン・テステフ、サン・ジュリアン。

http://japon.vins-bordeaux.fr/
2002/news/000058news.html

ソーテルヌ地区 1855年格付け銘柄
銘柄名 村名



Ch.d'Yquem Souternes


Ch.la Tour Blanche
Ch.Lafaurie-Peyraguey
Ch.Clos Haut-Peyraguey
Ch.de Rayne Vigneau
Ch.Suduirant
Ch.Coutet
Ch.Climens
Ch.Guiraud
Ch.Rieussec
Ch.Rabaud-Promis
Ch.Sigalas Rabaud
Bommes
Bommes
Bommes
Bommes
Preignac
Barsac
Barsac
Souternes
Fargues
Bommes
Bommes


Ch.Myrat
Ch.Doisy Daene
Ch.Doisy Dubroca
Ch.Doisy-Vedrines
Ch.d'Arche
Ch.Filhot
Ch.Broustet
Ch.Nairac
Ch.Cailou
Ch.Suau
Ch.de Malle
Ch.Romer du Hayot
Ch.Lamothe-desqujols
Ch.Lamothe Guignard
Barsac
Barsac
Barsac
Barsac
Souternes
Souternes
Barsac
Barsac
Barsac
Barsac
Preignac
Fargues
Souternes
Souternes
■ソーテルヌ地区
この地区は1855年に格付けされました。

特別1級:Premier Grand Cru(プルミエ・グラン・クリュ)
第1級:Grands Cru
第2級:Deuxiemes Cru

グラ−ブ地区 1953年、1959年に格付け
銘柄名 村名
Ch.Haut Burion
Ch.Pape Clement
Ch.la Mission Haut Brion
Ch.Latour Haut Brion
Ch.Laville Haut Brion
Ch.Couhins
Ch.Haut-Bailly
Ch.Carbonnieux
Domaine de Chevalier
Ch.Fieuzal
Ch.Malartic-Lagraviere
Ch.Olvier
Ch.Smith Haut Lafite
Ch.la Tour Martillac
Ch.Bouscaut
Pessac
Pessac
Talence
Talence
Talence
Villenave-d'Ornon
Leognan
Leognan
Leognan
Leognan
Leognan
Leognan
Martillac
Martillac
Cadaujac




























■グラーブ地区
 グラーブの格付けはCrus Classe des Gravesクリュ・クラス・デ・グラーブと表示され、1953年INAOがグラーブの格付けを行い、1953年農務省により公認されています。

サン・テミリオン地区 1996年格付け
銘柄名 村名

1


Ch.Ausone
Ch.Cheval Blanc
Cates
Graves
Ch.Angelus
Ch.Beau-Sejour-Becot
Ch.Beausejour-Heritier
    Duffau-Lagarosse
Ch.Belair
Ch.Canon
Ch.Figeac
Ch.La Gaffeliere
Ch.Magdelaine
Ch.Pavie
Ch.Trottevieille
Clos Fourtet
Cotes
Cotes
Cotes

Cotes
Cotes
Graves
Cotes
Cotes
Cotes
Cotes
Cotes


Ch.l'Arrosee
Ch.Belestard la Tonnelle
Ch.Bellevue
Ch.Bergat
Ch.Berliquet
Ch.Cadet-Bon
Ch.Cadet-Piola
Ch.Canon la Gaffeliere
Ch.Cap de Mourlin
Ch.Chauvin
Ch.Corbin
Ch.Corbin-Michotte
Ch.Cure-Bon
Ch.Dassault
Ch.Faurie de Souchard
Ch.Fonplegade
Ch.Fonroque
Ch.Franc-Mayne
Ch.Grand-Mayne
Ch.Grand-Pontet
Ch.Grandes Murailles
Ch.Guadet-Saint-Julien
Ch.Haut Corbin
Ch.Haut sarpe
Ch.la clotte
Ch.la Clusiere
Ch.la Couspaude
Ch.la Dominique
Ch.Lamarzelle
Ch.Laniote
Ch.Larcis Ducasse
Ch.Larmande
Ch.Laroque
Ch.Laroze
Ch.Matras
Ch.Moulin du Cadet
Ch.Pavie Decesse
Ch.Pavie Macquin
Ch.Petit Faune de Soutard
Ch.Le Prieure
Ch.Ripeau
Ch.St-Georges Cote Pavie
Ch.la Serre
Ch.Soutard
Ch.la Tour du Pin Figeac Giraud-Belivier
Ch.la Tour du Pin Figeac j.M.Moueix
Ch.la Tour Figeac
Ch.Terter Daugay
Ch.Troplong-Mondot
Ch.Villemaurine
Ch.Yon Figeac
Clos des Jacobins
Clos de l'Oratoire
Clos St-Martin
Couvent des Jacobins
サンテミリオン地区は、このグラン・クリュ・クラッセの下に、約200のシャトーが「グラン・クリュ」に格付けされています。
■サン・テミリオン地区
 サン・テミリオンの格付けは、St-Emirilion Grands Cru と St-Emirilion で、1954年、55年にこの3つと一緒に格付けされたサン・テミリオン・プルミエ・グラン・クリュ・クラッセとサン・テミリオン・グラン・クリュ・クラッセは1984年の改定で見直され、その後’96年に3度目の見直しがされました。


第1特別級:プルミエ・グラン・クリュ・クラッセ
特別級:グラン・クリュ・クラッセ
特級:グラン・クリュ








シャトー Chateau
 シャトーとはフランス語で「城」を意味しますが、ボルドーのワイン用語では、ぶどうを栽培し、ワインを醸造・管理する施設をシャトーと呼びます。シャトー名で売られるワインは、原産地統制名称(AOC)をもち、実際に存在する施設でつくらなければなりません。

グラン・クリュ Grand Cru
 「偉大なシャトー」の意味。ボルドーでは、格付けされたシャトーをさします。
 シャトーの格付けは、メドック、ソーテルヌとバルサック、グラーヴ、サン・テミリオンで、それぞれ異なった格付けが行われています。ラベルにはGrand Cru Classe とだけ書く場合や等級、格付けされた年をともなうこともあります。

グラン・ヴァン Grand Vin
 「偉大なワイン」の意味。ワインの内容についての規制はありませんが、Grand Vinのみの表示は禁止されており、該当する最も広い地域の原産地名称をともなわなければなりません。
 "Grand Vin de Bordeaux" などの用いられ方があります。単に形容のために使う場合と、同じシャトーで何点かのワインをつくっている場合、下位のワインと区別するのに使うこともあります。


ブルゴーニュの格付け
 ブルゴーニュのワインは特級畑、第1級畑、村名、地方名のワインに分けられています。
 特級畑(Grands Cru):銘柄名として畑の名前が示されています。
 第1級(Premier Cru または 1er Cru):村名と畑名
 村名:村名が銘柄名
 地方名:ブルゴーニュという地方名が銘柄名

ネゴシアンワインとドメーヌワイン
 ブルゴーニュ地方は、太古、スイスアルプスと中央山塊の隆起にはさまれてできたため、変化に富む地質を持ち、それが複雑に入り組んでいます。また、革命後、農地は細分化されて払い下げられたため、狭い面積に多くの畑の所有者が存在します。零細な農家が大半を占めるため、ネゴシアン(ワイン商)は農家からブドウを、小規模な生産者からワインを買い付け、ブレンドして流通させています。
 ドメーヌは、ボルドーのシャトーと同じように畑を所有し、栽培、醸造、瓶詰めから出荷まで行っています。

格付け表 フランス|イタリアドイツスペインポルトガル

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