お久しぶり!

 先日、18年ぶりにスペイン人のJaviが日本旅行中にクリニックを訪問してくれました。
 もともとスペインでは歯科衛生士や栄養師として働いていた人ですが、英語が得意だったのでクリニックで1年余り栄養指導の話や英会話の先生をしてくれていました。
 近況を聞くと、今はスペインでビルを芸術家に貸す仕事をしているとの事でした。また、その一方で、社会の役に立ちたいと考え、空き時間を利用して救命救急士のような資格を取り、ボランテイアで救急車に乗っているそうです。一緒に来た彼女は元々弁護士として働いていた人ですが、余りに忙しかったので、自分の時間を大切にしたいと思って空港の管制塔で働くパートの仕事に変わったそうです。二人とも、「限りのある人生なのだから、悔いが残らないように過ごしたい」と言っていました。また、「『そのうち時間ができたら』と思ってやりたいことを先延ばしにしていると、時間ができた時には体が言うことを聞かなくなっている。今の決断が大切だと思う」とも言っていました。日本とは文化や価値観が違いますが、違うからこそ教えられることがあります。日本では一つの資格(特に得る事が難しい資格)を取ると、その資格を使うことに囚われてしまいがちになります。そのため、複数の資格や知識を持つことで仕事がしやすくなる事は当たり前の事でも、現実に医療の世界で複数の資格を持って働く人は非常に稀です。働き方を考えたいと思いました。また糖尿病診療に携わる私たちが自分自身の働き方や生き方に色々な選択肢があることを受容できるようになれば、糖尿病患者さんの多様な療養の仕方や生き方についてもっと寄り添う事ができるようになるかもしれないと思いました。
 私たちと英国の糖尿病スタッフとは毎年交流をしていますが、彼らとの間でも知識や技術だけでなく、お互いが持っている色々な面についても交流して学びあうことができればと思いました。

                                                          Dr.T

2019年06月28日