時間

秋といえば、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?
「食欲の秋」、「読書の秋」、「実りの秋」、「スポーツの秋」、「紅葉の秋」、「行楽の秋」、「芸術の秋」、「ダイエットの秋」。色々と楽しみたいことが盛りだくさんの秋ですね。
 やりたいこと、やらなきゃいけないことが沢山ある、でも時間がないなぁ…。

 私自身、時間がないことを理由にしてしまうことがあり、家族に対しても、つい「早く」と言ってしまうことがあるのですが、そんな時にいつも浮かんできて反省する、印象に残っている本の一節を紹介したいと思います。

 渡辺和子さんが書いた「現代の忘れもの」という本の中に、“四秒を待つ”という話があります。

エレベーターというものは、乗り込んで目的の階のボタンを押すと、いつかは自然に閉まるものですが、私たちは知らず知らずのうちに、目的の階のボタンを押したら、すぐに「閉」のボタンを押しています。もっと気の早い方は、乗り込むやいなや「閉」のボタンを押し、それから行きたい階のボタンを押しています。エレベーターのドアが閉まるまでの時間を計ってみた所、四秒でした。もちろん建物や場所により差はあると思いますが、どうしてこの四秒が待てないのだろうと考えると、「四秒」が問題ではなく、「四秒が待てない自分」が問題で、エレベーターのドアが閉まる四秒を節約する、そのためにかえって忙しい自分になっていないだろうか?節約したはずの、浮かしたはずのその数秒は、自分の生活を豊かにしているどころか、むしろ貧しくしているのではないだろうか、ということに気づくようになりました。
                ~「現代の忘れもの」渡辺 和子著 日本看護協会出版会 より~

 短い秋ですが、心を豊かにして過ごしたいなと思います。

                                   スタッフ・K

2017年10月02日